あんなのはもう慣れてた筈なのに。
今 此処に立っていて歩いている自分に 意味を感じない。
頑張ることで何になるの?・・・・・・・・

翌日、紘満はだらけた気分で学校に来た。
冬の太陽が温かく街を照らしているのに、紘満の心が浮上することはなかった。
それをいち早く見破ったのも、やはり有季子だった。
「紘満ぃ、アンタ どないしてん?昨日に増してダークオーラ出とるよ~。
 何かあったん? 相談のるでー??」
その言葉は、紘満をグラつかせる。
言ってしまおうか
言って何の意味がある
二つの意志が、同時に頭を駆けめぐる。だけど、やはり言えなかった。
こんな時は空手でもやれば、スカッとするのに、今日も部活はない。
今週一週間は、休止週間なのだ。なんというタイミングの悪さ。

いつもより明らかに少ない会話で続いていく帰り道。
有季子は私を気遣って、明るいネタばかり振ってきてくれる。
まるで、今日という日のためにためておいてくれたかのような、楽しい笑い話だった。
ただ、ぎこちないのは変わらない。
まるで、ワイヤーに一つずつビーズを通すかのような会話。
「なぁ 有季子・・・・・・」
紘満は、下を向いたまま有季子に尋ねる。有季子は、一体どんな笑い話がくるのだろうと、なにか勘違いをして期待していた。
「・・・・・・自分がさ、ココに居る意味って、なんだと思う?」
その言葉に、目を丸くする有季子。
「今、ココに手があって動いてる。
 足があって歩いてる。
 きっとそれって、すごく有り難いことなんだよな。
 ・・・・・・だけど、自分が居なきゃいけない必要性が見つかんない。
 ・・・・・・むしろ、ないのかもしれない・・・・・・・・・。」


        ザァァァ


木がざわめきの音を奏で、二人の間に、とうとう本物の沈黙が生まれた。
どれくらい、そうしていただろうか。突如有季子は重い口を開けた。
「・・・・・アンタ」
そこまで言いかけたとき、一人の男が話しかけてきた。
「は~い、お嬢チャン達。そこまでよ~」
その男はどうやら露店を開いているようで、オネエ言葉が妙に怪しい。
「誰やアンタ。見ない顔やな~、ここらで店開くの初めてやろ??」
さすがはなにわの商人(あきんど)。初対面なんて関係なしにずかずかと話していく。
「アタシは”空間屋”」
その男は言う。
「世の中のいろいろな世界や空間に人を案内したり、過去や未来、ましてやパラレルワールドなんかにも行けちゃったりするのよv」

     ”コイツ ヤバイッ!!”

二人は同時にそう思い、シカトを試みる。
そして、もと来た道を逆もどりした。
「有季子、そういえばこの間貸した●●●●の映画見たか~?」
「あ!見たで~!!もう、めちゃめちゃラストが良かってんvv」
「そうそう、とくに●●●の決め台詞がカッコイイ!!」
「そやそや~v」


「あ!ちょっと!酷いじゃない!二人してシカトなんてさ!!」
あまりの待遇に男はわめいた。
「何かいってるぞ」
「ほっとけ」
そう言い、すたすたと足を速める二人。
「んもう!せっかく説明してあげようと思ったのにぃ!
 こうなったら、早速やっちゃうわよ!!」
どんどん離されていく男が、何かやると言い出した。

「時空超界!!」
そう言ったと思ったら、あたりは一瞬の光に包まれた。
そして、その光が消えた頃には、紘満と有季子の姿も消えていた。


  ”お嬢チャン達。料金は後払いでいいわよ”

そんな言葉が、二人の頭の中に響く。


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